ピクニックデート改め、梅酒を言い訳にした「夕飯会」が決まる。
F君は私の手料理が食べたいとの事。 職場では弁当持参も、やる気のある時はお菓子やから揚げなど(笑)をメンバーに作って振舞うことがあるので、手料理を振舞う事は苦ではない。 ただ、私は一方的にふるまうのは嫌。昔から誰が来ても一宿一飯の恩は払ってもらうのが私のポリシーだ。
F君にも「振舞うのはいいけど『働かざる者食うべからず』手伝ってね」と伝えた。
その返信は私にはとても意外なもので、
「ええ~!一緒に作りたいです!! 一緒にお料理してお酒飲んだら絶対幸せですよ~」とのこと。
えー!そこまで喜ばれると私も嬉しいけど、ええぇぇ!料理の手伝いを男の子が喜ぶって、”そういう世代”だからなのかなぁ。手伝いの打診にこの反応がかなり新鮮だった。
「おままごとみたいだな」と思う一方で、長く一人暮らしをしているF君が家庭のぬくもりに憧れるのもわからなくはない。
F君は自炊に抵抗はなく、皿洗いをさせると綺麗にやってのける姿を見たことがある。
背筋を伸ばしながら、嬉しそうに独り言をつぶやき洗う姿は凄く可愛い。あれを独り占めって。いいな。
今までの私なら、料理中に手を出されることを拒みそうだけど。F君に対してそれよりも愛おしさが勝。
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私の家に彼がやってくる日、道中「何を作りたいか」相談するメッセージがとまらない。待ち合わせ場所を間違え、私のもとに駆け寄る彼の手にはパープルのスターチスをたっぷり束ねた花束が。
「ミュウさんのイメージなんです」と嬉しそうに見せてくる。その花の花言葉は…
この子と結婚してもいいかも。そんな気持ちが私の心に芽生えた日の話。