ミュウさんが結婚相談所で出会った旦那(仮)のSさんは、鬱の入り口に立っていた。
鬱の原因は仕事にあるのは解かりきっている。そこへ『ミュウさん』という存在が入り込んでしまったために彼の生活リズムが乱れている事も知っている。
ただ。彼がそれでも私を手放さずにいてくれるから、彼を立て直す役目が私にはあると思っている。なぜなら、ミュウさんは嫁(仮)であるから。
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基本的に、対鬱で最強なのは
1)「大丈夫」という言葉。なんでも許すこと。
2)鬱の原因からかけ離れたところから、かけ離れた話題を振る。
3)本人の趣味など興味の向く話題で、楽しい今後を想像できる会話をする。
この3点。
私の強みは、自分でも怖いくらい彼が見通せること。
適当な場所と時間の待ち合わせでも、彼が出てくる所が解ったり、彼の欲しいもの、やって欲しいものがわかる。
彼が行きたい、こうだったら良いと思う事を私は提示してくれるらしい。
だけど、私は神様じゃないから、すべてではない。
だから「いつも『たまたま』なだけだから。ニーズはちゃんと伝えて」と言っているのに。
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あまりに不調な彼に焦りもあって。
本当に死ぬんじゃないかとも邪推した部分も有ったと思う。
なんだかそれが彼にも伝わってしまっていたかのように、
私がいつもの”ノリ”で、内容の無い話のなかで送った「Sさんは生意気な顔で『ミュウさんって、スキゾイド?』って言ってくる」という文章で沈んでしまった。
顔を見合わせてじゃれ合っている時は同じような事言い合ってたのに。
そのLINEは22時間後に
「なんだか悲しい。 気持ちのアップダウンして、流せなくて返信遅れちゃった」と返ってきた。
それを見て『めんどくさい』という言葉が真っ先に頭をよぎった私…
距離を置きたくなった気持ちを抑えて、冷静に反復し考える。
「彼が悲しんでいる」「私が彼を悲しませた」このことにフォーカスし
「悲しませてごめんなさい。 ちゃんと話を聞いて謝らせてほしい」と送る。
二時間後に「自分が言った言葉が君を傷つけたのかもと思って。冗談なんだろうけど、半分本気かもと思って悲しくなった」と返ってきた。
つまり、私を悲しませたと思って落ち込んでいたらしい。
その文章を冷静に3回読んで、直ぐに電話。
・あなたを悲しませてごめんなさい。
・あなたが悲しんでいる事が私は悲しい。
・あなたに傷つけられた事は無い。
・常にフェアでフランクに会話してくれるあなたが好きで、安心している。
・なにも不安に感じる事は無い。大好きなのは私も一緒。あなたと私は考え方まで『いつも一緒』なんでしょ?
私も少し取り乱してこれらを話すと、気づいたら普段の頼れる彼に戻っていた。
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私の事を大好きで大事に考えてくれているのは良いけど、度が過ぎて、大事な所で意気地なしなのは彼も一緒だった。
だから、怒ればいい所で悲しんでしまう。いつも泣いちゃうSさん。
一緒にごはんを食べながら「本当はこうしたい」「本当はこうなりたい」「でも出来なくて・・・」と涙目で話すから。
ダメでもいいんじゃないの?全部できなくても、一個できたことが「やったー!」でしょう?とほだして。
ほんと、手がかかる。
でも、鬱やマネジメントに対してこれまで勉強してきて本当に良かったと思う。
彼には私が必要だ。
すぐに泣いちゃう、そこもどこまでも愛おしいとっても可愛い私の旦那さん。