“婚活彼氏コレクション”の続き。
5歳上の元板前、コンサルファーム勤務。
今現在、ミュウさん的にはSさんが1番愛おしい。そして確実に彼も私を好きだと分かる。そんな人に出会った。
肉付きの悪い細身に、コンパクトな膝、小さい顔
高い鼻、綺麗な二重
透き通るような白い肌
栗色の髪
栗色の長いまつ毛
色素の薄い瞳は、日中の日差しの下で輝いていて琥珀の様だった。
着ていたスーツは冬用だったけど、色素の薄い自身によく似合う色合いと綺麗に体に合ったカッティングで高いものだとすぐわかる。
「ずっと在宅ですよー」と言うが、季節外れのスーツが体に合っている以上、体系管理もきちんとしている。
何が決め手だったか知らない。何を話した時か覚えてない。
彼が「似た者だって直ぐに分かった」と言ったのを覚えてる。
色素の薄さは真反対だけど、思い返せば顔付きは似てたかも知れないし、
初対面でも少し図々しい所も、
熱中すると周りが見えなくなるところも、
話すテンポも。似てるかも。
年は5つ上だけどずっと前から知ってたような。
私の分身のような。
J君が揺るがない大木の様な頼れるお兄さんだとするなら、
Sさんは可愛い幼馴染って感じ。
私をずっと見てた琥珀の瞳。
私のチームに送別者が居いると言ったら「品物のアイディアを出してから帰る!」と張り切りながら駅までずっと付いてきた。
私が「あなたの帰り道と違うよ」と指摘したら急に気が付いて帰ろうとしたが、何度か振り返りながら「今日はコンディションが悪かったから」と何かもごもご言っていた。
「日の下の姿にクラクラしました」とか送ってくる人。いや、ただの熱中症でしょう。
OさんやJくん相手なら「そんな〜」って返すけど、
「当然です」って返せる相手がSさん。
期待と希望の匂いを纏った柔らかい5月の光のような人。
ひと駅も離れてなかった居住地を周知しあって、何時でも会えるけど会わない。
プラトニックなのもそそる関係。