F君が居なくなった初日。朝、F君へ「私の今週の楽しみはみんなに『F君がいなくなって寂しいか?』インタビューする事」とメールして出社する。
忙しい会社にありがちな話で「何でもない日常」が過ぎてゆく。 F君の同僚たちに「寂しい?」と聞きたかったが、そんな雰囲気もなく。
F君とは普段から仕事以上の関りを持たなかった(特に、彼の後輩も増えた今は、彼に割く時間が減った)ため、数日間会話しないのは普通。
比較すると、毎日雑談をしている今はコミュニケーション過多なくらい。
なのに、私の大切なテリトリーである仕事場に彼の存在が全くない事が妙に寂しい気分になった。
数日前、客先へ退社挨拶をし帰社したF君が「『ミュウさん元気ですか?』って聞かれました」と報告に来た。
「『F君が居なくなるから、体調悪いです』って言ってくれた?」と聞くと、顔を真っ赤にして「え?本当ですか??」と聞いてくる。
こちらが問うているのに…
純粋な年ごろの男の子をからかって、素直に反応されると本当にかわいい。その点では部下の中でNo.1に可愛いのがF君。
そういうやり取りが、自分のテリトリーでできない事が寂しいのかもしれない。
もう27歳になるのに、顔を赤くして、目を潤ませて喜んだり、恥ずかしがるのはずるい。
「私って、体が大きくて、一生口喧嘩で勝てないタイプの年上が好きなはずなんだけどなぁ」自分の気持に違和感しかない。
帰宅後、F君から「寂しいかとか、聞かないでください。何もないって言われたら泣いちゃいます」と返信。
泣いちゃえばいいと思う。最近は大人になって、泣かなくなったから。部下になって直ぐの頃の、しょっちゅう悔しくて泣いてた彼が恋しい。